学術講演会が行われました

7月8日(金)午後7時30分より小倉歯科医師会館にて学術講演会が行われました。学術担当理事福泉先生より開会の言葉の後、島田会長より挨拶がありました。
 九州歯科大学 歯科放射線学分野 森本泰宏教授より「歯科診療における放射線の安全管理とパノラマX線画像を用いた骨粗鬆症のスクリーニング」という演題で講演していただきました。
 医療機関の管理者が確保する安全管理体制の一つに「医療放射線の完全管理」が追加されました。特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会のホームページより診療用放射線の安全利用のための指定策定に関するガイドラインについて指針のモデルがダウンロードできますので、各歯科診療所の状況に応じて修正して指針のモデルにしてください。診療用放射線の安全管理に関する基本的考え方を項目別に説明していただきました。
 その後、パノラマエックス線画像を用いた骨粗鬆症のスクリーニングを脳血管障害の予測について話されました。まずは、正確に評価できるパノラマエックス線画像を撮影することが大切ですのでそのコツやチェックポイントについて教えていただきました。パノラマエックス線撮影装置は90%以上の歯科医院に普及されており年間のパノラマエックス線画像の撮影枚数はおおよそ1200万枚といわれており、これらは非常に大きな医療情報になります。全身疾患の同定やスクリーニングなどに応用できる例として骨粗鬆症のスクリーニングを脳血管障害の予測について実際のパノラマエックス線画像を用いて評価の仕方について解説されました。なかなか日常の診療の中で歯科疾患以外のところに目がいきにくいのですが、歯科でこれらのことを予見し早期発見につなげることは、国民の健康を守ることや医療費抑制にもつながります。口腔内の健康が全身健康におおきく関わっているをいわれてきているなか、あらたに歯科が貢献できる知識を得られる講義になりました。