在宅歯科医療推進連携室整備事業研修会

5月12日(水)午後7時30分よりオンライン配信で在宅歯科医療推進連携室整備事業研修会を行いました。増井聡地域保健担当理事の挨拶の後、北九州市立医療センター摂食嚥下障害看護認定看護師専従 鶴川真弓さんより、「当院の食べるための支援の実際」という演題で公演していただきました。
 
 北九州市立医療センターの紹介の中で、認定看護師の活動について話され、コロナ禍のなかで、呼吸器の離脱から経口摂取にいたるまでを摂食嚥下障害看護認定看護師としてST(言語聴覚士)、病棟と連携して安全に食事できるようにとり組んでいることについて説明されました。飛沫によるリスクを軽減させるためST介入時、摂食介助時は、N95マスク・フェースシールドをし、また病棟をまわる順番も工夫して感染対策をおこなっているとのことです。

 「おいしく安全に食べる為の適切な環境調整」について、嚥下の先行期、準備期に問題のある患者症例を、「いきいき回復チーム」の取り組みを認知症看護、皮膚・排泄ケア、摂食嚥下障害の3名の認定看護師の視点から、問題点とそれに対してごのように関わっていくか、動画を交えて説明されました。患者の入院から退院までの経過を、多職種と横の連携をはかり継続したケアを行っています。

 食事介助におけるリスク管理について、誤嚥や窒息をできるだけおこさないための食具を食形態の選択や安全に行うためのテクニックについて解説しました。家庭でも実践できるテクニック、食具の選択について解説しました。意識障害や嚥下障害がある患者に対し、経管栄養チューブを使って投与することを目的とした簡易懸濁法についても説明しました。錠剤やカプセルをそのまま温癒(55度)にいれて崩壊、混濁させる方法で、すべての薬剤につかえるわけではないのですが錠剤やカプセルが飲みにくい患者への応用ができます。絶食、飲水可の患者へ安全に飲水してもらうテクニックをとろみについてを中心にいろいろ解説していただきました。

 普段なかなか聞くことのできない専門家からの視点の話を聞くことができ、患者のQOLを高めるために多職種が連携することの大切さをあらためて認識し、在宅でも応用できる知識を習得できる大変有意義な研修会をなりました。