九州歯科大学公開講座

 3月3日(木)7時30分より、オンライン配信にて九州歯科大学公開講座を行った。
 島田会長から挨拶の後、九州歯科大学 健康増進学講座 分子生物学分野教授 古株彰一郎先生をお迎えして「骨格筋研究の観点からオーラルフレイルを考える」という演題で講演した。
 超高齢化社会を向かえるなか「平均寿命」と「健康寿命」の間には約10年の乖離があり、フレイルが大きな問題になっている。骨格筋量が多いと様々な疾患の罹患率が低いといわれており、オーラルフレイル に見られる口腔機能低下や軽微な摂食・嚥下障害は、関連筋の衰弱の側面があり、骨格筋を健常に保つことは人生100年時代を豊かに生き抜く鍵である。
 そこで最近注目されている骨格筋の役割や骨格筋疾患、骨格筋研究のトレンドを紹介された。また味覚受容体は、舌以外にも様々な臓器で発現して機能してるが、その中でもうま味受容体は小腸上皮細胞の維持や骨格筋にも作用する。全身的なうま味感受性は骨量や骨格筋量に相関があり、うま味受容体を刺激することによってサルコペニアや骨粗しょう症の克服の一助になる可能性があるとのことであった。口の健康は全身の健康にとって重要であるといわれてきているなか、いつもとは違った観点からの知識を得ることができる興味深い講座であった。